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快適生活のために知っておきたい、風の通りや採光を考えた家の窓の配置を解説します。
家の窓の役割といえば、まず日中の部屋での作業や健康な生活を送るために欠かせない一定の明るさを確保して、室内に十分な光を取り入れる採光。部屋の湿気や臭いを減らして二酸化炭素と酸素を入れ替える通風や換気。庭や外の景色を眺めることができ、心理的効果もある開放性などを思い浮かべることが多いでしょう。
実は窓にはほかにも重要な役割があり、火災の際の排煙や特に3階建ての家では道路に面した3階部分に非常用進入口としての窓を設ける必要(※1)もあります。
※1.参照元:三協アルミ 非常用侵入口(https://buildingsash.net/tech/pdf/STB0235ASIRYO_09.pdf)
家の各エリアに適した窓は家の方角も含めさまざまな条件により異なりますので、用途別にそれぞれの部屋に適した窓を配置する必要があります。
大きな空間で開放的な吹き抜けは、窓を上手に配置することで階下への採光と通気がさらに良くなります。
理想的には吹き抜け部分の階の東もしくは西、南もしくは北、上部の3箇所に窓を確保できるといいでしょう。上部は特にトップライトと呼ばれる天窓やハイサイドライトと呼ばれる壁面上部の高窓で対応ができます。天窓を配置するのであれば、雨漏り対策も必要です。
適度な採光をして自然な明るさにするために、6~10畳ほどの寝室や子供部屋であれば2面以上の窓を配置するといいでしょう。
また寝室や子供部屋はプライバシーの確保もしたいもの。土地周辺の環境も考慮して、外からの視線をさえぎるような位置やサイズの工夫が必要です。壁の中心に配置するだけでなく、コーナーに寄せることも考えてみましょう。採光がアップし見た目がすっきりするというメリットがあります。
トイレの窓があるのとないのでは、メリットとデメリットが異なります。小さくても窓があると換気や採光ができ、狭い空間が広く感じられます。逆に窓がなければ断熱性や防犯性が向上するうえ、間取りの自由度が上がり窓設置のコストを抑えることができます。
浴室の場合は、窓があると湿気を取り除きやすいこと、また自然光が入り外の景色が見えるという開放感があります。逆に浴室の窓は結露やカビのたまり場にもなりますので、窓がなければ掃除の手間が省け断熱性も向上します。
快適な生活には風の通り道が必要です。夏場の暖かい空気は丈夫に溜まりますので、下から上へ風が抜ける窓の配置が理想です。これは吹き抜けを作ることで実現します。
また各部屋には窓を2箇所配置することで、ドアが閉まっていても両方の窓を開ければ風が通り抜ける仕組みを作ることが可能です。2箇所の設置が難しければ、窓一つとドアを開けることや、室内窓を設置して通気できる設計にするといいでしょう。
いずれの場合も風通しのためにあちこちに窓を配置するのではなく、防犯やプライバシーも考慮して設計することが大切です。