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耐震性を持つ耐震住宅について紹介しています。地震対策を行う住宅には免震や耐震・制震といった種類があります。免震と耐震の違いやメリット・デメリット、工法などを紹介しています。
耐震住宅は、地震の揺れに耐えることで住宅の倒壊リスクを抑える性能を持った住宅です。
地震対策を行う住宅は耐震住宅の他に免震や制震といった種類があります。
それぞれ費用が異なりますが、耐震住宅でも耐風性を高め、地震対策をとることは可能です。
耐震住宅の地震対策に必要な費用は、免震、制震住宅と比較すると低い傾向となっています。
台風や強風への耐風性も持ち合わせているので、風による揺れも抑えることが可能です。
耐震住宅にする場合には、地下室の設置といった設計やデザインに関して自由度が高いのも特徴。特に制限も無いため、希望の外観・内装の住宅を実現させやすいメリットがあります。
同じく地震対策としての性能を持つ耐震・制震といった住宅は、設置にかかる費用はより費用が掛かる他、免震は設計の際に地下室を設置できないといった制限があります。
耐震住宅は地震を直接受けて耐えることで住宅を守る性能となっています。そのため、地震の揺れや衝撃によって倒壊はしなくても住宅にひびが入ってしまったり、ダメージが蓄積されて住宅が劣化してしまったりする可能性があります。住宅内の家具も倒れてきやすいため、住んでいる家族が怪我をしたり火災をはじめとした二次災害を引き起こしたりする可能性もあります。ダメージを直接的に受けてしまったり、家具の転倒により倒壊とは別の被害を受けてしまったりする点はデメリットといえそうです。
耐震性住宅の工法には壁を増やしたりカーボンファイバーを使って補強したり、隙間を空けたりすることで建物にかける負荷を分散させる方法があります。
耐震住宅は地面にしっかりと建物が固定されているので直接的に地震のダメージを受けやすくなっていますが、補強することでダメージを軽減できる工法が多いです。
耐震性を高めるための工法は、「壁を増やして補強する」「X字型・Y字型の耐震ブレースで強度を高める」「カーボンファイバーで補強」「スリットを設ける」の4種類に分けることができます。
壁を増やして補強する方法は、耐震性の高いコンクリートの壁を多く配置することで建物の強度を大きく高める方法です。しかし、配置する壁の数によっては、建物が使いにくくなることもあるので他の工法と組み合わせて使用することも多いです。
X字型・Y字型の耐震ブレースで強度を高める工法は、学校を始めとした大型の公共施設に多く使用されている工法です。X字型・Y字型の耐震ブレースをはめ込むことで壁面の強度を高めます。
カーボンファイバーで補強工法は、鉄骨や壁・柱などをカーボンファイバーで補強することで地震の揺れによるダメージを受けにくくなります。
スリットを設ける工法では、柱と壁の間に空間を空けて地震の揺れによるダメージを一カ所に集中しないように分散させる工法です。スリットは「隙間」のことを指し、隙間を作ることによって地震のダメージを軽減する工法です。
耐震住宅に迷った場合に選ぶポイントは、「手ごろな価格で施工できる」「地下室を住宅に作れる」「台風や強風への耐風性がある」です。住宅の地震対策への費用を抑えたい方や地下室の設置したい方、耐風性のある住宅にしたい方には、耐震住宅が向いています。
揺れによる住宅の倒壊以外にも、家具の倒壊や住宅へのダメージを抑えたい方は耐震住宅に向いているとは言いづらいため、耐震住宅だけでなく免震住宅も視野に入れて考えてみましょう。
耐震基準は耐震等級という、3段階に分けられて設定された基準のことです。等級は1~3となっており、等級1は建築基準法で最低限守る基準として設定されているもので、震度6強~7の規模になる地震でも倒壊することなく耐えられる基準です。等級1を基準に、等級2では1.25倍・等級3では1.5倍の地震が発生しても倒壊しない耐震性を持つ住宅となっています。
建物によって必要とされる耐震等級が異なり、一般住宅は耐震等級1・学校の校舎・地域の避難場所になるような場所は耐震等級2・病院や警察署などは耐震等級3を基準としています。
会社によっては、住宅の耐震基準を耐震等級3と同じレベルにしている場合もあります。
地震が住宅に与える衝撃・ダメージに耐える性質のことを指します。強い地震が起きた場合にも倒壊しない耐震性を持った住宅になるようにしています。
地震が起きた場合には、直にダメージを受けてしまうため、ひびが入ったり地震のダメージを住宅が受けてしまったり家具が倒れてしまう可能性も有ります。
ダメージに耐えられる代わりにダメージを蓄積してしまったり家具の転倒による怪我・火災が起きたりしやすい性能です。
耐震性能が地震の揺れ・ダメージに耐えるもので、建物は土台にしっかりと固定されます。地震の揺れや衝撃を受けるとひびが入ったり、家具が転倒してしまったりすることもあります。設計する上での自由度は高く、地下室を設置できないといった制限もありません。
免震は地震の揺れを受けつつもダイレクトに衝撃を受けるのではなく、基礎部分に設置された免震装置が住宅と地面の間に免震装置を設置して揺れのエネルギーを逃がして住宅への負荷を抑える性能となっています。これにより、地震で家具が倒れてくる可能性も低くなります。しかし、免震装置を付ける必要があるため、地下室を設置することはできません。
地震の揺れを直接受け止めるのが耐震・上手く衝撃を吸収し逃がすのが免震となっています。
耐震住宅には、4種類の工法やメリット・デメリットがありました。安価に設計上の制限なく家を建てたい方や耐風性のある住宅を探している方におすすめです。注文住宅で家を建てる場合には、耐震基準や耐震性をしっかりとチェックするようにしましょう。